◇なんだか胡散臭い、信じがたい・・
マインドフルネスは本当に効果があるのだろうか?なんだか胡散臭い感じが未だに消えない・・そんな方々は、まだまだ日本には多いと思います。もともとが仏教という宗教をルーツに持つ手法ですからそういう概念がつきまとうのも仕方がないと思います。
そういう私も最初は疑い、半信半疑ではじめてみましたGoogleをはじめとする大企業が研修として続々と導入していく状況をみて、何か確固たるものがあるのだろう。ならば自分で納得するまで、とことん試してみようと、1,000時間のトレーニングに取り組んだ結果、それは確かなものだという、確証へと変わりました。
◇どんな研究がおこなわれてきたの?
1970年代に医療の分野で取り入れられだしてから約50年かけて様々なエビデンスが蓄積され『東洋の宗教で伝えられてきた瞑想が、実際には、科学的にも理にかなった方法だった』という事が実証されてきたという事になります。ここは素直に認めていい段階にきていると言えます。
マインドフルネスは、先端科学のあいだで本格的に研究されていく中で、多くの科学的根拠が認められています。
むしろ、現代のマインドフルネスは、宗教や信仰とは関係なくビジネスや、医療でその効果を活用しようとする傾向のほうが強い様です。とくに、アメリカの研究者には、瞑想と宗教を別のこととして合理的に考える傾向が強いといわれます。
私自身も宗教とは切り離して、科学的に実証されたトレーニング方法として現代人の生活にうまく活用していく事をベースに伝える活動を展開しています。
科学的に、瞑想の効果は、どのように実証されているのでしょうか。脳の画像解析の発達や、臨床における瞑想の活用を重ねる事によって、瞑想が脳にもたらすポジティブな効果がわかってきています。
◇「脳」へもたらされる驚きの効果
現段階で実証されている主な効果を綴っていきます。先ずはマインドフルネスの実践は、大脳の「注意力」を高める部位である、前部帯状回皮質(ACC)そして「感情のコントロール」にかかわる前頭前野なども活性化される事が解ってます。
集中力を高めたり、感情が安定してくる事が実践者の実感ベースの効果としてあげられるのはこの効果が効いてます。
また雑念や妄想とかかわり、脳疲労の要因となっているデフォルトモード・ネットワーク(DMN)もマインドフルネスの実践によって、統合されていき「脳疲労が回復」し疲れにくい構造へと変化していきます。いつも疲れている、疲れやすいと感じている人にはオススメです。
また、瞑想を続けることによって、自己を一歩引いたかかわり方で捉える能力も発達してきます。自身の思考や「感情を俯瞰」する、もしくは客観視する能力が高まる事で平常心や穏やかな心を保つ事ができる様になっていきます。感情に振り回されなくなると生活の質も随分と向上していきます。
そして、脳は、訓練をすることによって、その構造そのものがポジティブな方向に変化します。マインドフルネスの実践を継続することができるようになれば、「記憶力」にかかわる部位である、海馬が大きくなることがわかっています。これは年齢を重ねていく中でも、とてもありがたいですよね。
◇最後に
マインドフルネス瞑想を、宗教をルーツにもつ事を理由に胡散臭い、非科学的なものだと考えるのは、もはや先入観に基づく偏見とも言えます。かつての自分自身もそうであったと思います。
多くの科学的な効果の実証が積み重なった効果的なトレーニング方法として、うまく私達の現代生活に取り入れて、QOL(生活や人生の質)や自分自身のパフォーマンス向上に活用していく事に目を向けていいタイミングにきていると言えます。
ちなみに最近では国連も職員へ向けて、マインドフルネスの取組みを推奨しているそうです。先ずは、科学的根拠を振り返り、1分間呼吸に意識を向けるところから、試してみるといいと思います。